丹生谷利和の議会報告201506



「一人の人を大切に」「市民サイドに立った温かい行政」が私の原点です。

にゅうのやとしかず

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にゅうのやとしかずの議会報告

丹生谷利和の議会質問

丹生谷利和の議会報告

平成27年6月定例会 6月18日 

■入札制度について

◆丹生谷利和議員 公明党の丹生谷でございます。一般質問を行います。市長初め理事者の皆様の明快な御答弁をお願いいたします。

(1)高値落札の契約実態を市長はどのように見ているのか。

 まず初めに、入札制度について質問いたします。本市の最近の大型公共事業の落札実態を見ると、非常に高値落札であります。昨年11月28日開札執行した東雲小学校改築、松山市教育センター新築主体工事がありますが、予定価格19億2,134万7,000円に対して、落札価格19億870万円となっており、落札率は99.34%となっております。
 この案件には、もう一者JVが参加しており、99.9%で応札しておりました。また、ことし2月2日執行した余土中学校校舎棟移転新築主体工事につきましては、予定価格17億5,750万1,000円に対して、17億4,800万円で落札しており、落札率は99.4%となっており、この案件にも他にJV2者が参加しており、それぞれ99.8%と99.9%で応札しておりました。
 非常に高い落札率であります。そしてまた、落札者以外の競争相手のJVは予定価格に極めて近い額で応札しております。99.8%や99.9%で応札して、果たしてこの企業はこの仕事を本気になってとりに行っているのか、疑問に思うところであります。適切な競争原理が働いているのか、心配しております。まず、市長はこのような契約実態を了としているのか、どのように見ているのか、お考えをお聞かせください。

◎大町一郎総務部長 本市大型公共事業の契約実態についての見解ですが、過去3カ年の設計金額1億円以上の競争入札件数と平均落札率は、平成24年度が19件で84.59%、平成25年度が23件で92.60%、平成26年度が36件で94.11%となっており、案件によっては落札率が99%を超えるものもありますが、その主な要因としては、国の取り組みに沿った低入札価格の防止を目的としたダンピング対策の強化に加え、施工条件や地理的条件のほか、震災復興やオリンピック需要に伴う建設業界における人手不足による人件費や資材価格の高騰が上げられます。中でも、工期が長期に及ぶ大型工事においては、それらのリスクを見越し、採算性等を検討した上での入札結果であるものと考えています。以上です。

◆丹生谷利和議員 市長の御意見を聞きたかったわけですけれども、このような高落札が続いておるということについて非常に残念であると、改善しなければならないという共感がいただけるものと思いながら、今質問いたしております。そういうことについてどういうふうに見ておるのか、もう一度お答えいただきたいと思います。

◎大町一郎総務部長 このような契約なんですけれども、電子入札システムによりまして一般競争入札で実施をされたものでございまして、参加者は人件費や資材価格の高騰など採算性を考慮した上で応札したものであると考えており、予定価格の範囲内での入札結果であることから、妥当であると考えております。以上でございます。

(2)予定価格の事前公表について

◆丹生谷利和議員 2点目は、予定価格の事前公表についてお尋ねいたします。予定価格の事前公表は、落札率が高くなる要因の一つとして考えられております。本市は、平成13年から予定価格の事前公表を行っておりますが、開始してから十数年がたち、落札率が徐々に高どまりして、この事前公表の弊害が生じているのではないかと思います。競争性の向上や入札、契約の適正化の観点から、この予定価格の事前公表は見直したらどうかと思います。お考えをお聞かせください。また、国の方針についても、国はどのように考えているのか、あわせてお聞かせください。

◎大町一郎総務部長 本市では、平成13年4月から入札及び契約の透明性、公正性の向上と予定価格を探るなどの不正行為や情報漏えいの防止などを目的に事前公表を実施しております。その後の平均落札率につきましては、90%前後で推移をしており、高どまりの傾向は見られません。国の通知では、事前公表を行うことで、適切な積算を行わず入札した者が受注するなどの弊害が生じた場合には、速やかに取りやめるなどの対応を行うものとされております。今後におきましても、入札結果に注視しつつ、他市の動向も参考に、予定価格の事前公表のあり方について研究をしてまいりたいと考えております。以上でございます。

◆丹生谷利和議員 国の方針について、あわせてお尋ねしたわけですけれども、まことに国の方針については一口で終わったわけです。国は、この予定価格の事前公表については、競争が制限され入札価格が高どまりになる、2、業者の見積もり努力が損なわれる、3、談合が容易に行われる、以上のようなことから国は予定価格の事前公表を禁止しております。こういうふうな説明が欲しかったわけですけれども、こういう説明はございませんでした。この点についてもう一回、部長。

◎大町一郎総務部長 平成18年6月の国の公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針において、予定価格の事後公表の推進が加わりまして、平成26年9月の指針では、地方公共団体においては予定価格の事前公表を禁止する法令の規定はないが、事後公表の実施の適否について十分検討した上で、弊害が生じた場合には速やかに事前公表の取りやめを含む適切な対応をするものとされております。弊害が生じた場合にはこのように対応することとなっております。以上でございます。

◆丹生谷利和議員 私の認識では、最近の入札実態を見るともはや弊害が生じておると、このように認識しております。

(3)契約課の調査結果について

 3点目は、契約課の調査結果についてお聞きいたします。契約課では、この4月から5月にかけて、落札率や予定価格の事前公表の実施状況及び高落札に対しての対応策などを中核市や愛媛県内他市へ調査をされたと思います。その調査目的と調査結果についてお聞かせください。

◎大町一郎総務部長 本市では、入札及び契約制度のさらなる適正化を目的とし、他市の状況を把握するため、毎年調査を実施しており、本年4月、中核市、徳島市及び県内3市に調査を行い、45市から回答を得ました。調査内容と結果についてですが、まず平均落札率につきましては、本市の平成26年度の91.86%に対し、45市の平均は91.83%でした。次に、予定価格の公表については、事前が28市、事後が12市、事前、事後の併用が5市でした。最後に、高落札への対策については、42市は実施しておらず、3市が対策を実施しておりました。その内容は、落札率が95%以上となった場合や応札額が高値集中した場合などに落札決定を一旦保留し、調査の上、決定するといったものでした。以上でございます。

◆丹生谷利和議員 事前公表ということなんですけれども、今は中核市の調査結果でございましたが、ちなみに都道府県では36%、指定都市では30%というふうなことになっておるようです。これは2014年調べですね。

(4)入札監視委員会について

 4点目は、入札監視委員会についてお尋ねいたします。本市では、入札・契約の適正化の観点から、入札監視委員会を設置しております。設置要綱によりますと、委員会は会議を原則として7月と11月の年2回開催しております。7月には前年度下半期分から、11月には当年度上半期分から、それぞれ無作為に抽出した案件を審議しております。そこでお尋ねしたいことは、冒頭に申し上げました東雲小学校改築工事や余土中学校新築工事は、落札率が高いのではないかと委員会や本会議で相当議論があった案件ですし、うち1件は、本会議で否決された案件です。しかし、入札監視委員会では審議されておりません。

 それは、入札監視委員会設置要綱にも運営要綱にも高落札案件を審議する業務が書かれていないからであります。審議されるとしても、次の委員会開催月は7月であり、7月ではもう工事も始まっており、時を逸していると思います。しかも、審議案件は無作為抽出ですから、これが審議されるかどうかもわからないと思います。これでは、委員会が現実の動きに対応できていないのではないかと思います。委員会が、高値落札や、また現実の変化に対応できるよう、要綱を改めなければならないと思います。

 そこで、入札監視委員会の開催については委員の発議により必要に応じて随時開催できるようにしてはどうか。また委員会の業務内容に高落札案件の審議を加えたらどうか。さらにまた委員会に権限を付与し、入札及び契約の適正を欠くいささかの疑念の残るものは議会へ差し戻すなどできるようにしたらどうか。他市では、落札率が95%を超えるものは、自動的に落札決定を一旦保留しているところもあります。本市においても、95%以上は一旦保留し、入札監視委員会の審査対象にしてはどうかと思います。

松山市入札監視委員会設置要綱の見直しが必要と思います。これらについてお考えをお答えください。

◎大町一郎総務部長 入札監視委員会は、入札及び契約の透明性の確保の観点から、入札契約適正化法に基づき策定された適正化指針により、学識経験者などの第三者の意見を適切に反映することが発注者に求められていることから設置しているものです。本市では、現在多くの中核市と同様、年2回の定例会議を開催していますが、回数等も含め、随時の開催について検討してまいりたいと考えています。次に、審議案件は、原則委員が抽出することとしていますが、事務局から高落札案件についても提案をさせていただきたいと考えており、また平均落札率についても報告してまいります。

次に、委員会の役割・機能につきましては、国のマニュアルによりますと、入札及び契約手続の運用状況等について報告を受けることや抽出案件に関し入札参加資格の設定や指名の経緯等について審議すること、またそれらについて改善すべき点があると認めた場合において、発注者に対して意見具申を行うことなどとされております。委員会への落札決定に関する権限付与及び落札率が95%を超えるものの落札決定を一旦保留すること、並びに本市の入札監視委員会設置要綱の見直しにつきましては、監視委員会のさらなる機能充実も含め、他市の状況等も見ながら研究してまいりたいと考えております。以上でございます。

◆丹生谷利和議員 今の答弁では、何かしゃべっただけで何ら改善の余地もないというふうな答弁でした。高落札率案件等についても審議できるようにしてはどうかというふうに提案しております。そしてまた、先ほど最初に述べた東雲と余土中学校の分、これは全くこの委員会で審議されないわけなんですよ。これは現実に即してないのではないかというふうに指摘しとるわけです。そのことについて全く答弁なってないと。もう一遍やってください。

◎大町一郎総務部長 地方公共団体における入札監視委員会等第三者機関の運営マニュアルには、基本的役割といたしまして入札及び契約手続の運用状況等について報告を受けること、第三者機関またはその構成員が抽出し、または指定した工事に関し、一般競争入札参加資格の設定の経緯、指名競争入札に係る指名の経緯等について審議を行うこと、上記の事務に関し報告の内容または審議した公共工事の入札及び契約の理由、指名の経緯等に不適切な点または改善すべき点があると認められた場合において、必要な範囲で発注者に対して意見具申を行うことということが上げられております。これが入札監視委員会の規定でございまして、これを用いまして入札監視委員会を開催いたしております。

◆丹生谷利和議員 入札監視委員会は7月にあると思うんですよね。そのときに、7月の分が前年度の下半期分の中から抽出して審議するという範囲に入っとると思うんですが、だからやるのかやらないか、選ぶか選ばないか、どうなんですか。

◎大町一郎総務部長 先ほど御答弁いたしましたように、事務局のほうから高落札案件については提案をさせていただきたいと考えております。

◆丹生谷利和議員 ちょっとここでしつこいこと言えんのですけども、この設置要綱も運営要綱もちょっと読み込んでみたんですよ。そしたら、事務局から抽出して提案はできるとは書いてないんですね。事務局から、高落札については抽出するというのは何を根拠に言いよるかというんだけ言ってくれますか。

◎大町一郎総務部長 先ほど御答弁いたしましたように、議員さんの御質問にもございましたように、こちらのほうから、当然委員が抽出することにはなっておりますけれども、私どものほうでそういった案件については新たに提案をさせていただきたいということでございます。

◆丹生谷利和議員 じゃあ、要綱に書いてないことですけれども、事務局から提案をするということですね。わかりました。

2,マイナンバー制度について

(1)市民への周知について

①マイナンバー制度の目 的やメリット及び広報の取り組みについて

 年金情報の流出問題が起こり、今国会でマイナンバー法の修正法案の成立が見通せない状況になっております。来年1月からの制度開始を延期するよう求める意見なども出ておりますが、この制度の必要性については多くの識者が認めているところであり、国民の不安が払拭されるような国の対応があれば、いずれこの制度は導入されるものと思います。

 そこで質問に入らせていただきます。社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度が、予定では来年1月から実施されます。そのために、この10月から、本市でもマイナンバー通知を行う準備を進めていることと思います。しかし、市民の間では、マイナンバー制度について知らないという方が大勢おられます。内閣府がことし1月行った世論調査の回答で、制度、内容を知らないが70%を超えており、情報漏えいや不正利用による被害の不安を訴える声もそれぞれ30%を超えておりました。

 市民が内容を知らないまま、不安を持ったまま、10月からのマイナンバー通知を行えば、行政への問い合わせが殺到するなど、運用に支障を来すおそれもあります。制度を円滑に始めるために、生活の利便性向上につながる点を広報し、その意義を市民に理解してもらう努力がさらに必要であると思います。マイナンバー制度は、全国民に12桁の数字を付与し、年金や雇用保険の給付手続、所得税の確定申告などの作業を簡素化するための仕組みであります。これまで書類チェックに膨大な人と時間を費やす行政の事務負担を軽減し、待ち時間をなくすといった効率化を促すこともできます。一方、個人情報の漏えいや不正利用の防止は一層厳正な対処が求められ、情報の安全性を脅かすような技術的問題が起きないか、常に点検すべきであります。

 制度開始に向け、万全の態勢で臨んでいただくことを願い、以下、質問いたします。そこで1点目は、市民への通知についてであります。まず、マイナンバー制度はどういうものか、導入の目的やメリットを市民の皆様にわかりやすくお話しいただきたい。そして、同制度の広報を加速させる必要を感じております。どのように取り組むのか、お聞かせください。

②高齢者や障がい者などへの配慮、について

 また、高齢者や障がい者などのいわゆる情報弱者と言われる方への配慮はどのようにされているのか、お聞かせください。

③DY やストーカー被害者などへの対応について

 さらにまた、DVやストーカー被害者など、住民票を残したまま住所地以外に避難している方もおられるが、このような被害者も避難先でマイナンバーを受け取る制度があると聞いております。どのような制度か、そのような制度があることをしっかり周知すべきと思いますが、いかがでしょうか。


◎大町一郎総務部長 1点目のマイナンバー制度の目的やメリット及び広報の取り組みについてお答えいたします。この制度は、行政の効率化を図り、市民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現するための社会基盤となるものです。現在、市民の健康保険や税などのさまざまな情報は複数の機関が保有をしております。これらの情報が同じ人の情報であることを確実に把握できるようにし、その情報を効果的に活用するため、一人一人にマイナンバーが通知されるものです。この制度が導入されれば、ネットワークシステムによって各機関の情報が確認できるようになるため、所得証明書や住民票などの提出が省略できたり、社会保障や税の給付と負担の公平化が図られるなどの効果が見込まれています。

 また、広報の取り組みについてですが、本市では既にホームページや別館への横断幕の設置、庁内外でのポスターの掲示などの周知を行っているところです。今後も、これらの取り組みを継続するとともに、国の広報活動と連携しながら、広報紙や市政広報番組などを最大限活用し、さらなる周知に努めたいと考えています。次に、高齢者や障がい者などへの配慮についてですが、本年3月と5月には、介護保険事業者向けの説明会でチラシを配付し、施設やサービスを利用される方々への周知を依頼いたしました。

 今後は、障害福祉サービス事業者に対しても同様に周知を依頼するほか、高齢者や障がい者の方々への配慮について関係部局との連携を図り、高齢クラブ連合会などの関係団体の御協力もいただきながら、丁寧な説明に努めたいと考えております。以上でございます。

◎唐崎秀樹市民部長 DVやストーカー被害者などへの対応についてお答えします。DVやストーカー被害者は、避難先を加害者に知られないようにする支援措置を受けられることから、原則として避難先を住民登録していただく必要があります。しかし、やむを得ない事情により避難先を住民登録することができない場合は既に登録している市区町村に避難先を連絡することでマイナンバーを記載した通知カードを受け取ることができます。このことについての具体的な周知や手続方法は7月以降に国から示されますので、本市もその方針に従い、広報紙やホームページで周知いたします。また、庁内の関係課で既に把握しているDVなどの被害者に対しましては、個別の周知を行います。以上でございます。

(2)個人情報の保護とセキュリティー対策について

◆丹生谷利和議員 2点目は、個人情報の保護とセキュリティー対策についてであります。マイナンバー法では、政府、自治体などマイナンバーを業務で使う立場の機関は、マイナンバーを取り扱うシステムを構築する際に、特定個人情報保護評価という評価作業が義務づけられ、国民にその評価結果を公表し、個人情報の保護措置に関して国民の意見を反映してシステム構築することとなっております。
評価作業の取り組みについてお聞きします。

 また、国は国民に対して、マイナポータルを利用してアクセス記録の確認ができる仕組みを提供しております。マイナポータルにログインすることで、自分に関するアクセス記録を確認することができるシステムであります。市民にわかりやすく説明してください。さらにまた、サイバー攻撃による日本年金機構からの個人情報流出が問題になっており、不安を覚えるわけですが、国では、マイナンバー法で個人情報の保護やプライバシー侵害の不安に対する措置はとられていると言っております。しかし、外からの攻撃、すなわちサイバー攻撃に対するセキュリティー対策はどうかということであります。

 新聞報道によると、情報セキュリティー会社のトレンドマイクロが調査した昨年1年間の保護情報を脅かすウイルス感染などの被害に遭った状況では、企業や官公庁が66.6%に上るとする調査結果を発表しております。幅広い組織が危険にさらされている現状が明らかになっております。また、ことし3月の調査によると、来年1月から始まるマイナンバー制度では、システムの対応が完了しているとの回答が4.3%にとどまっており、現在対応中との回答も13.6%で、対応のおくれが鮮明になっていることも明らかになりました。

 本市のシステム対応について説明していただきたい。それに合わせ、セキュリティー対応や準備はできているのか、円滑な利活用に向けての準備を整えた上で実施につなげていかなければならないと思いますが、お考えをお聞かせください。

①評価作業の取り組みについて
②マイナポータルについて
③本市のシステム対応について

◎大町一郎総務部長 1点目の評価作業の取り組みについてお答えいたします。マイナンバーを含む個人情報を取り扱うに当たっては、いわゆるマイナンバー法で特定個人情報保護評価の実施が義務づけられています。その内容は、個人情報の流出などを防ぐため、事前に影響調査を行ういわゆる環境アセスメントのようにマイナンバーの取得、利用、他団体への情報提供、委託などの観点から、事前にリスク分析を行い、必要な対策を講じるものです。

本市では、必要に応じてパブリックコメントや松山市個人情報保護審議会の答申を得て評価書を作成し、順次国に提出するとともに、ホームページで公表をしております。さらに、今後も毎年、評価書の内容を見直すとともに、5年ごとに評価自体を改めて行うことを予定するなど、個人情報の保護に取り組んでまいります。以上でございます。

◎矢野大二総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長 

  お尋ねの2点目、3点目についてお答えいたします。
2点目のマイナポータルについてですが、マイナンバー制度の導入に合わせて、新たに国において構築する個人ごとのポータルサイト、マイナポータルが整備されます。このマイナポータルは、1つ目に、行政機関が持っている自分の氏名、住所、給与情報などの特定個人情報を確認する機能。
2つ目に、一人一人に合った行政機関などからのお知らせを表示する機能。
3つ目に、自分の特定個人情報をいつ、誰が、なぜ情報提供したのかを確認できる機能を有しているもので、平成29年1月から稼働する予定です。また、安全なオンライン手続の実現に備えるため、個人番号カード利用時の本人確認手段として、公的個人認証サービスを利用し、なりすましを防止するほか、公的機関にも端末を設置し、インターネット環境が使えない方でも利用できるように考えられています。

さらに、高齢者や障がい者の方の使いやすさを考慮した文字の大きさや色など、ユニバーサルデザインに配慮した画面となる予定です。次に、本市のシステム対応についてお答えします。本市では、まず平成26年度から既存住基システムの改修を行い、現在は個人番号をシステムに保有するための機能の追加などが完了している状況です。
今後は、10月からの住民への個人番号の付番、平成28年1月からの個人番号カードの交付に対応するほか、社会保障関係及び税等のシステムについても、国の示したスケジュールに遅延することなく進めていきます。一方、先日起こった日本年金機構における個人情報流出問題など、サイバー攻撃に対するセキュリティー対策は重要な問題として捉えており、これまでもファイアウオールや不正侵入防止システム、全パソコンに対するウイルス対策ソフトの導入など、常に対策を図ってまいりました。そこで、マイナンバー制度に伴うシステム整備でも、個人情報及び通信の暗号化の実施など、国の示したセキュリティー水準を確保するとともに、これまで以上に情報セキュリティー対策の向上に努め、引き続き職員への教育・研修を繰り返し行い、周知徹底を図ってまいります。以上でございます。

(3)中小企業へ周知すべきことについて

◆丹生谷利和議員 3点目は、中小企業へ周知すべきことについてであります。今後、会社として従業員にマイナンバーの提供を求めなければならなくなります。各種行政届書類にマイナンバーを記載することは法令で定められた義務になります。実質的に、全ての民間企業が安全管理措置を実施しなくてはならないことになります。特定個人情報の範囲の明確化や事務取扱担当者の明確化を含め、中小企業へ周知すべきことは多いと思います。どのように取り組むのか、お聞かせください。

◎大町一郎総務部長 現在、国では、日本経済団体連合会や日本税理士会連合会などの団体に対して、説明会を開催したり、事業者向け制度説明用DVDの配付を行っております。説明用動画は、ホームページ上でも公開されており、各中小企業での研修などで使用できるようになっております。
また、本市では、これまで市内中小企業の福利厚生事業を支援している松山市勤労者福祉サービスセンターを通じて、チラシを配布したり松山商工会議所の会報紙に制度の内容を掲載するとともに、同会議所が開催した税申告や社会保険、雇用保険などでのマイナンバーの取り扱いを説明するセミナーで、各企業の担当者の方に事業者向け小冊子を配布するなど、周知に努めてまいりました。
今後も、庁内各部局と連携し、税務署などの関係機関・団体の御協力をいただくことにより、個人情報の保護や安全管理措置を実施する必要性などについて、中小企業に一層周知をしていきたいと考えています。以上でございます。

3. 地方創生総合戦略について

◆丹生谷利和議員 では次に、地方創生総合戦略について質問いたします。

(1)総合戦略策定にあたって若者や女性の参画について

国のまち・ひと・しごと創生法において、市町村においても、地方版人口ビジョン総合戦略の策定が努力義務とされたことから、松山市においても、人口ビジョン及び総合戦略の策定が進められているところであります。地方創生に取り組む公明党の姿勢は、「人が生きる、地方創生。」をテーマに、あくまでそこに暮らす人に視点を置き、人が希望を持ち、生き生きと暮らせるまちづくりであります。とまらない少子化と東京圏への過度な一極集中による人口減少問題は、本市にとっても喫緊の課題であります。

先日、6月2日に行われた第1回松山市地方創生懇話会では、各団体から出生率や若者の定住など貴重な御意見、御提案が多々出たところであります。私も傍聴させていただきましたが、大変勉強になりました。市政に携わる一員として御協力いただいている皆様に感謝を申し上げたいと思います。ただ、参加者に20代の若者や子育て中の若い女性がいなかったことが残念でした。

総合戦略は若者や子育て中の若い女性のための施策が多いと思います。総合戦略策定に当たっては、当初から若者や子育て中の若い女性に参画していただき、ともに考え、ともにつくり出していく、そのプロセスを共有することが大事であると思います。そこでまず1点目は、総合戦略策定に当たって、若者や女性の参画についてどのように考えられているのか、お聞かせください。若者や女性の意見を集約する手法として、東京都豊島区で実施しているとしま100人女子会は参考になると思います。

豊島区では、平成26年5月、23区で唯一消滅可能性都市に位置づけられました。このニュースに豊島区を初めとする全ての方が驚き、豊島区は直ちに豊島区をもっとすてきなまちにできると信じる20歳から30歳代の女性を中心としたとしま100人女子会を開催したそうです。その会は、ワールドカフェ形式で行われ、気軽に話せる女子会となったようです。
ワールドカフェ形式とは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、メンバーの組み合わせを変えながら、四、五人の小グループで話し合いを続けることにより、あたかも参加者全員が話し合っているような効果が得られる対話の手法だそうです。終了後の参加者アンケートでは、また参加したいが97%を占め、参加者からは区をよくするために行動しようとしている方が大勢いることがわかり、心強い気持ちになった。具体的に、区の方針を一緒に考える、つくっていく感じがした。言いたいことを他の人と共有できたなどの感想があったようでした。本市としても、若者や女性の参画はどのように考えておられるのか。豊島区のこの取り組みも参考になるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。

◎野志克仁市長 現在、本市の人口ビジョン及び総合戦略の骨子案を作成する中で、合計特殊出生率が全国水準より低い状況であることや若年世代での人口流出が顕著であることなどがわかっております。
こうした本市の特徴を踏まえ、目指すべき将来の方向として、若い世代の希望をかなえることにより、人口の自然動態については出生率の向上を、社会動態については若者の転出の抑制やUターン者、Iターン者の増加などを掲げています。この目指すべき将来の方向を実現するため、総合戦略に盛り込む具体的な施策を検討するに当たっては、策定の基本方針の一つとしている徹底した市民目線の中でも、特に若者や女性の目線が重要であると認識しています。
こうしたことから、昨年度末から既に学生や子育て世代を対象としたタウンミーティングを実施しているところであり、その中でいただいた御意見は総合戦略に反映していきたいと考えております。それに加え、夏ごろをめどに新たに若者会議及び女性会議を開催したいと考えております。
この会議については、できる限り多くの生の声をいただくことが重要ですので、誰もが自由に意見を言いやすいように、少人数の複数グループで話し合いを行うワークショップ形式で行いたいと考えております。
さらに、フェイスブックを初めとするソーシャルネットワーキングサービスの活用の可能性についても検討するなど、豊島区の事例も参考にしながら、さまざまな手法で若者や女性の参画を促していきたいと考えております。以上でございます。

(2)本市の人口ビジョンについて

◆丹生谷利和議員 2点目は、本市の人口ビジョンについてであります。本市の人口は、2010年をピークに減り続け、合計特殊出生率も2013年では1.36で、県1.52、国1.43より低い状態であります。人口が急減すれば、労働力が減り、経済成長が鈍り、医療や介護などの社会保障制度の維持も難しくなる。
多くの行政サービスが低下し、人々の暮らしに支障を来すことは言うまでもありません。そこで、市長は将来にわたって活力ある松山を維持していくために、本市の人口ビジョンをどのように考えているのか、どのような展望を描こうとしているのか、お聞かせください。

◎野志克仁市長 松山市の人口は、平成22年の51万7,000人をピークとして減少に転じておりまして、国立社会保障・人口問題研究所の計算に準拠いたしますと、45年後の2060年には35万人程度になることが予測されます。こうした急激な人口減少の影響として、税収入の減による行政サービスの低下に加え、民間投資や民間サービスも縮小し、市民の雇用や家計、暮らし向きの低下など、さまざまな課題が想定されます。そこで、これらに的確に対応するため、先般、松山市の人口ビジョンの考え方を示す骨子(案)を作成し、目指すべき松山市の将来の方向性として、「自然減の歯止めと社会増の維持・向上による人口の安定と若返り」及び「暮らしと経済を守るまちづくりの推進」を掲げました。

具体的には、若い世代の結婚・子育て・仕事・余暇などの希望を実現し、出生率の向上を図るほか、若い世代の希望をかなえ、転出を抑えるとともに、県外からのUターン、Iターンなどの転入をふやしていく必要があると考えております。あわせて、当面避けられない人口減少社会に対応するため、連携中枢都市圏の形成による行政サービスの効率化などを図るとともに、産業面での民間投資を促進することで地域経済の縮小を抑えるなど、市民の暮らしを守るためのまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。

また、どのように人口の展望を描くかについてですが、今後、結婚や出産あるいは定住などに関して、松山市の若い世代がどのような希望を持っているかをアンケート調査などで把握し、その希望を実現していくことを基本にしつつ、国や県、近隣自治体の人口ビジョンなどとも整合を図る中で、松山市の将来展望を描いていきたいと考えております。以上でございます。

(3)出生率について

◆丹生谷利和議員 次に、出生率についてであります。第1回松山市地方創生懇話会において、出生率の具体的な改善策について、多岐にわたる御意見、御提案がありました。

①第1 回松山市地方創生懇話会のご意見、ご提案をどのように総合戦略に盛り込むか

そこで1つは、どのような御意見、御提案が出たのか、整理しお聞かせください。また、どのように総合戦略に盛り込むか、お聞かせください。

②本市の子育て予算について

2つは、本市の子育て予算についてお尋ねします。本市が子ども・子育て支援の分野に投じている経費は約226億円で、一般会計総額に占める割合は約13.2%になります。中核市の平均値は13.6%ですので、その差はわずかとはいえ、金額に換算しますとおよそ6億円も下回っていると言えます。

若い男女が結婚し、子どもを持ちたいという希望は強く、18歳から34歳の未婚者の意識調査では、男女ともいずれ結婚するつもりという人の割合が9割程度に達しており、未婚者が希望する平均子ども数も2人を超えております。希望しても結婚できない、子どもをつくれない社会環境があります。若者が希望どおり安心して産み育てられる社会の実現のために、手厚い子ども・子育て支援は欠かせません。

そこで、本市の子ども・子育て予算については、一般会計総額に占める構成比率という抜本的なところから予算配分を見直し、重点的に増額していく、そういうところから考え直していく必要があるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。

◎矢野大二総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長 懇話会の御意見、御提案をどのように総合戦略に盛り込むかについてお答えいたします。
まず、第1回松山市地方創生懇話会の主な御意見、御提案を整理しますと、次の3点になります。

1点目は、若い世代の経済的安定が必要という御意見です。収入の低い若者が結婚に踏み切れない現状があり、非正規雇用を正規化する取り組みや賃金の底上げの検討などについて御提案がございました。

2点目は、子育て支援の充実が必要という御意見です。育児や教育に多額の費用を要する子育て世帯の経済的負担の軽減、また子育て支援施設の整備が重要との御指摘がございました。

3点目は、ワーク・ライフ・バランスの推進が必要という御意見です。女性の社会進出が顕著になり、ワーク・ライフ・バランスの重要性が増していることや長時間労働等に対し、社員のワーク・ライフ・バランスが確保できるような企業体質を目指すべきという御指摘がございました。

そのほか、未婚化・晩婚化が問題であり、出会いの場を提供することやイクボス・イクメンのように、男性の育児参加につながる取り組みが重要といった御意見がございました。また、これら出生率の向上に向けた取り組みについて、近隣市町との連携が重要との御指摘もございました。

今後、松山市地方創生懇話会でいただいた御意見、御提案につきましては、松山市人口減少対策推進本部少子化対策部会等において、出生率の改善につながる効果的な施策として、反映させるよう検討を行い、本市の総合戦略に盛り込んでいきたいと考えています。以上でございます。

◎岡本栄次子ども・子育て担当部長 本市の子育て予算についてお答えします。本市では、毎年200億円を超える規模の予算を子ども・子育て分野に投じており、施設整備や制度改正などによって変動するものの、一般会計総額に占める割合はここ数年13%台となっています。

今後は、財政事情が厳しい中、次代に負の遺産を残さないよう健全財政の維持を図りつつ、この春にスタートした子ども・子育て支援新制度にのっとった施策の推進はもちろん、人口減少社会を見据えた少子化対策にも取り組むため、知恵と工夫を凝らしながら、子ども・子育て関連事業のさらなる充実に取り組んでいきたいと考えています。以上でございます。

◆丹生谷利和議員 今の子ども・子育て予算の重点的な増額というふうなところで御答弁いただきましたが、今回の総合戦略の中でも、この子ども・子育て予算というのが肝であろうというふうに考えております。私は、一般会計総額に占める構成比率という抜本的なところからというふうな質問をさせていただきました。これはむしろ市長の強いリーダーシップによって、社会保障関係費の中でこの子ども・子育て予算をぐっと広げるんだと、そういうふうなことの提案も込めての質問でございます。部長はさらっと答えてしまって、これなら質問してもなかなかかいがないんですが、もう一回答弁してくれますか。

◎岡本栄次子ども・子育て担当部長 子ども・子育て分野に関する抜本的な予算づけということでの御指摘だと思います。もちろん、子ども・子育て支援新制度が国でありますので、それの施策はもちろんのこと、人口減少社会を見据えた少子化対策にも取り組むため、知恵と工夫を凝らしながら、子ども・子育て関連事業のさらなる充実ということで、取り組んでいきたいということで御理解いただきたいと思います。以上でございます。

丹生谷利和議員 これ以上は言いませんが、子ども・子育ての比率を上げていく努力をしていただきたいという趣旨でした。

(4)若者の地元定着について

 では4点目は、若者の地元定着についてであります。地方から東京への人口流出に歯どめをかけ、東京一極集中を是正する。これは日本創成会議の言う地方都市の消滅を避けるための政府の基本的な視点の一つであります。松山市の転入・転出の状況は、若干転入者数が転出者数を上回っております。

しかし、若者の転出者は多く、東京圏や大阪圏など大都市へ若者は出ていっております。若者以外の世代、すなわち高齢者は県内他市町から転入超過となっております。本市でも、地元の活力、魅力を高め、若者の転出を食いとめなければなりません。

そこで、若者の地元定着を促す施策を何点か提案させていただきます。

①大学生の定着支援について

1つは、大学生の定着支援についてであります。若者を地元に定着させるためには、地元の就職を後押しすることが必要であります。香川県では、卒業後県内で3年間働くことを条件に奨学金返還を一部免除する事業を実施し、卒業後も地元にとどまる機運が広がりつつあります。また、香川県内出身者が県内大学へ進んだ場合、県内に就職する率は83.6%と非常に高いというデータがあります。

そこで、香川県では県内大学への進学に対するインセンティブを付与する事業をつくろうということで、平成26年より大学等魅力づくり支援事業予算4,000万円を創設し、若者から選ばれる魅力ある大学づくりに向けた取り組みを支援しております。具体的には、県内企業へのインターンシップの実施、大学の連携、単位の交換、学生の交流、大学コンソーシアムで県内高校から県内大学への流れをつくる事業などであり、効果も出てきております。本市でも、奨学金を活用した大学生の地方定着や地元大学の魅力づくりを実施すれば、若者の地元定着を促すインセンティブになるのではないかと思います。お考えをお聞かせください。

②生涯収支データなどで若者に住みやすさをアピール

2つは、生涯収支データなどで若者に松山の魅力や住みやすさをアピールすることについてであります。松山に住み続けた場合と東京に移り住んだケースの生涯収支や住環境をデータで比較し、若者に松山の魅力や住みやすさを知ってもらい、若者の流出に待ったをかけたらどうかということであります。鳥取県では、都会志向の若者に鳥取のよさを売り込んで地元に定着してもらおうと、学生向けパンフレットを作成し、県内の高校生などに配付しております。

パンフレットによると、20代独身の平均月給は東京が4万円から6万円上回っているが、家賃の平均月額は鳥取が3万円以上安く、結婚や出産費用も抑えられるとのこと。パンフレットでは、各中央省庁が発表した統計調査から、ファイナンシャルプランナーが試算した生涯収支モデルを紹介。住居購入費や教育費なども加算すれば一生涯の平均貯蓄額は、東京が1,257万円で鳥取が1,228万円と、ほぼ変わらないとアピールしております。通勤時間の短さや待機児童の少なさなど、都道府県別のランキングで鳥取が上位の項目も、東京や全国平均の数値とともに並べ、鳥取ならではの付加価値を示しております。

松山での生活の魅力を若者にわかりやすく示すパンフレットを作成し、客観的数字を示し、地元での進学、就職を促したらどうかと思いますが、お考えをお聞かせください。

③空き家や市営住宅の若者優先枠について

3つは、空き家や市営住宅の若者優先枠についてお尋ねします。住宅問題も重要です。若者の収入に占める家賃負担は非常に重いものがあります。市営住宅の若者優先枠などのセーフティーネットを整備していくべきであります。

神戸市では、子育て世帯や若者世帯の応援事業として、市営住宅入居の際、特定目的住宅の優遇措置として、抽せんを通常1回のところを2回にして、若者世帯等が入居しやすくしております。大津市や奈良市でも、入居募集をする際、若者世帯等の応募枠を設け、一般とは別に募集をしております。具体的には、大津市では空き部屋数の25%、奈良市では半数を若者世帯等に確保しております。

また、青森県では空き家バンクを推進し、子育て世帯や若者世帯への優先入居を行っております。住みかえに関する関連業界団体で青森県住みかえ支援協議会を設立し、子育て世帯に優先入居を促しております。本市でも、若者世帯等の優先入居を実施できないか、お尋ねいたします。

◎山本昭弘教育長 若者の地元定着のうち奨学金を活用した大学生の定着支援についてお答えします。本市では、まち・ひと・しごと創生法に基づく地方創生の取り組みとして、松山市人口減少対策推進本部を立ち上げ、全庁的な取り組みを始めています。

そんな中、若者の定住支援のための方策として奨学金を活用することは有効な手段であると認識しております。国では、地方創生への取り組みの中で地方公共団体と地元産業界が協力し、将来の地域産業の担い手となる学生を応援するための取り組みとして、奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進に向けた新制度を策定しています。また、香川県を初め他の自治体でも、独自の制度により定住もしくはUターン等の若者に対して奨学金の返還の一部を免除するなど、地元定着の促進に向けた取り組みを行っております。
こうしたことから、本市では、国や県の動向を見きわめながら、役割分担を十分考慮した上で本推進本部の下部組織である移住・定住対策部会での議論を踏まえ、関係部局と連携しながら奨学金貸付制度の活用を含め、有効な方策について研究していきたいと考えています。以上でございます。

◎矢野大二総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長 お尋ねの1点目、2点目について答えをいたします。
1点目の大学生の定着支援のうち、地元大学の魅力づくりについてお答えいたします。本市が、地域の拠点都市として全国から人や企業が集まり、今後とも持続的に発展していくためには、将来を担う若者の力が不可欠です。そうしたことから、これまでも愛媛大学や松山大学と連携協定を締結し、地域産業の活性化や人材の育成、生涯を通じた学習機会の充実のほか、学生が地域を知り、課題解決能力などを身につけるための公開講座の開催など、さまざまな分野で積極的に連携してきました。

また、市内に多くの大学や専門学校があるという本市の特性を最大限活用するため、学生による政策論文の募集や松山観光文化コンシェルジェ講座の開催、実践的学生防災リーダー育成プログラムなど、市政への参加機会の充実や地域への愛着の向上を図ってきたところです。こうした中、現在策定している総合戦略の骨子(案)でも、大学等との連携による学生の転入・定住促進を主な施策として位置づけているところであり、今後、学生の地元就職率の動向や進路希望など、県外流出の状況や要因等を分析した上で効果的な施策を検討し、若者の地元定着につなげていきたいと考えています。

次に、2点目の若者に松山の魅力などをアピールすることについてですが、本市はこれまで学生や若者を巻き込んでの街づくりワークショップや若者に写真を活用して街の魅力を発信していただくイベントのほか、大学生などの新入学生を一部市有文化施設に無料で招待することなど、若者に市の魅力を知ってもらうさまざまな事業に取り組んできました。そして、現在、移住・定住施策の一環として、松山市での暮らしを案内するガイドブックを制作することとしており、その中には松山市の家賃水準が県庁所在地の中で下から4番目の安さであることなど、松山の暮らしやすさをあらわす数値を盛り込む予定です。

御指摘の生涯収支データ等については、今後、他市の事例などを参考にしながら対応を検討したいと考えています。いずれにいたしましても、このガイドブックを利用して若者に松山の魅力や住みやすさをアピールすることで、地元での進学・就職を促したいと思います。以上でございます。

◎山崎裕史都市整備部長 空き家や市営住宅の若者優先枠についてお答えします。現在、市営住宅の優先入居は、特に住宅の確保に配慮を要する母子・父子世帯、老人世帯、子どもが3人以上の世帯、DV被害者世帯を対象に、希望団地数を2団地から3団地にふやすことで入居機会を優遇する取り扱いを行っています。子育て世帯や若者世帯への優先入居も、経済的な負担を軽減し安心した子育て環境を提供することで定着促進に寄与するとともに、多様な世帯の入居により、高齢化する団地の地域コミュニティ再生にも効果が期待できますので、希望団地数をふやすことや優先枠を設けるなど、若者の優先入居方策について検討を行いたいと考えています。

また、空き家等を活用した優先入居につきましては、今後、空家等対策特別措置法に基づく空家の対策計画の策定を進める中で、既存の空き家バンクの活用や若者の定住促進の受け皿となる空き家の活用方策についても他市の事例を参考に調査、検討していきたいと考えています。以上です。

4.ブラック企業対策について

◆丹生谷利和議員 最後の質問になります。ブラック企業対策について質問いたします。若者の間で、遅くまで残業しても残業手当がつかない、休みたくても年次有給休暇がないなど、過重労働の悩みが広がっております。明確な定義はありませんが、若者などの社員を低賃金で働かせ、長時間労働や過剰なノルマ、パワーハラスメントなどを繰り返し、若者の使い捨てが疑われるブラック企業による被害が深刻化しております。
 厚生労働省は、4月1日、過重労働や賃金不払いなど、労働環境が劣悪なブラック企業への対策を強化するため、東京、大阪の労働局内に専門に取り締まる特別チーム、過重労働撲滅特別対策班を設置しました。また、5月18日には、臨時全国労働局長会議が開催され、大企業で違法に残業が行われ、3カ所以上の支店や営業所が是正勧告を受けた場合は、企業名を公表する旨、厚生労働大臣から指示したと報道されておりました。このように、厚労省ではブラック企業対策への取り組みを強化し、今国会においてブラック企業被害を防ぐための初の法律となる青少年雇用促進法案が審議されているところであります。本市においても、労働法規を無視し、違法な雇用契約や苛酷な労働で若者を酷使している企業はあると思います。若者は最初に就職した職場経験がその後の人生に影響するとも言われております。
 鬱などメンタルヘルスに不調を来した若者、その後ひきこもりになる若者もいると聞いております。若者のやる気やスキルを潰す企業は許せません。

(1)ブラック企業対策の取り組み

そこで1点目として、本市としてブラック企業対策の取り組みを強化していただきたいと思います。若者は松山市の将来の担い手であり宝であります。若者を守るという視点で取り組んでいただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

◎平野陽一郎産業経済部長 将来にわたって活力ある地域社会を維持していくためには、若者が安心して働ける労働環境の整備が大切ですが、労働者の権利保護に関して本市が企業に指導監督する権限はなく、またいわゆるブラック企業の実態が把握できない場合が多く、特定も難しいため、これまでは効果的な対策を実施することが困難な状況でした。現在、国会では、青少年雇用促進法が審議されており、ブラック企業対策の詳細が明らかにされていない状況ではありますが、労働関係法令違反の企業には新卒者の求人申し込みを受理しないことなどが盛り込まれる予定ですので、ブラック企業対策への一定の効果が期待されています。本市におきましても、これまで労働相談窓口や労働者の権利保護に関する周知などを実施してきましたが、今後の国の動きを見きわめながら、雇用の促進や能力を発揮できる環境の整備など、本市としてできる対策について検討したいと考えています。以上でございます。

◆丹生谷利和議員 本市としてのブラック企業に対する権限がないという、そのとおりではあるんですが、そのために、あと後半を質問をさせていただいております。

(2)若者の就労環境の実態調査について

 2点目は、本市におけるブラック企業の実態はどうなのか、若者の就労環境の実態はどうなのか、市としても若者の就労環境の実態を把握し、若者就労支援の施策に生かしていかなければならないと思います。若者の就労環境の実態調査をする必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。

◎平野陽一郎産業経済部長 ブラック企業や若者の就労環境の実態調査をするためには、ブラック企業であるかないかについての明確な定義づけがなされ、労働者が各自の雇用契約などを理解し、自分の置かれている労働環境が適正であるかどうかについて客観的に判断できるかなどの前提が必要であると考えています。しかしながら、若者が生きがいややりがいを持って働ける環境を整えるためには、まず就労環境の実態を把握した上で必要に応じて改善していくことが大切ですので、関係機関、団体と連携し、実態調査を行うことについて研究したいと考えています。以上でございます。

(3)本市の労働相談窓口の拡充について

◆丹生谷利和議員 3点目は、本市の労働相談窓口の拡充についてであります。先ほど部長は、本市としても労働相談窓口を持っているというふうな話をされましたが、現状は月1回、第1金曜日に午前10時から16時まで、社会保険労務士会の御協力で社会保険労務士による無料相談を行っております。

月に1回では不足であります。過重労働に苦しむ若者、賃金の不払いに苦しむ若者、パワハラに苦しむ若者、理不尽な契約に縛られて苦しむ若者、これら若者がいつでも相談できるような体制にしていただきたいと思います。そして、仮称ですけれども、ブラック企業撲滅若者応援相談窓口のようなものに衣がえしてはいかがでしょうか。
また、夜間と土日の対応として、国の労働条件相談ほっとラインを活用してはどうでしょうか。厚生労働省は、昨年9月から、平日夜間、土日に、誰でも労働条件に関して無料で相談できる労働相談窓口、労働条件相談ほっとラインを開設しております。宣伝のために電話番号を言っておきます。

番号はフリーダイヤル、0120-811-610、「はい!ろうどう」です。日中忙しい若者が利用できます。しっかりこれらのことも周知していただきたいと思います。労働相談窓口の拡充や電話相談窓口の周知方についてお答えください。

◎平野陽一郎産業経済部長 本市では、愛媛県社会保険労務士会の協力を得て、無料総合労働相談窓口を設け、不当解雇や賃金不払い、パワハラによる配置転換などのブラック企業に対する労働相談に限らず、公的年金や健康保険などの一般的な相談を含め、さまざまな相談を受けることができる体制を整えています。
また、国の出先機関である愛媛労働局、愛媛労働基準監督署や愛媛県の労働委員会、労働団体でも相談窓口を設置しています。このほかにも、国では休日や夜間に対応する電話窓口も設置して相談に当たっています。このように、労働相談に関してはさまざまな専門窓口があるので、本市独自にそれらの窓口を紹介するホームページを構築し、周知するとともに、問い合わせがあった際には、個々の相談内容に応じて適切な窓口へおつなぎしてきました。

今後は、ブラック企業について気軽に相談できる市の窓口や夜間や土日にも利用できる国の労働条件相談ほっとラインについて、一層の周知に努めるとともに、他市の取り組みも参考にしながら、社会保険労務士会など関係機関と連携し、相談窓口の実施回数、時間などの拡充について研究していきたいと考えています。以上でございます。

(4)労働法規の普及、教育について

◆丹生谷利和議員 この項4点目は、労働法規の普及、教育についてであります。労働法について知識をつけておくことが、みずからの正当性や権利を守ることにつながります。残業代を払わない企業は、若者に対しておまえは仕事が遅いからだと責任転嫁する事例もあるようです。また、やめさせたいときには、おまえは無能だと心理的に追い詰める事例もあるようです。また、若者からは、アルバイトが労働基準法の対象になるとは知らなかったとか、バイトでも有給休暇がもらえるなんて知らなかったとの声も聞かれるそうです。労働法制やブラック企業対策に取り組まれている法政大学キャリアデザイン学部教授の上西充子先生は、「現在の若者を取り巻く労働問題の多くが彼らの無知と彼らの無知につけ込もうとする企業の悪質さにあることを考えれば、労働法教育を中心とする総合的な権利教育を実施していくべきなのは明らかだ」とおっしゃっております。本市でも、労働法規等についてわかりやすいパンフレットを作成し、市民に広く配布するなど、広報まつやまも有効に活用して労働法制について周知、教育を図っていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

◎平野陽一郎産業経済部長 労働者の権利保護は、企業を初め働く人みずからが生きがいや誇りを持って働けるよう、労働関係法令の基礎知識を学ぶことが大切であると認識しています。しかし、国の調査では、労働者の権利の理解度がまだまだ低いという結果も出ているため、若者へのさらなる普及啓発が必要であると考えています。そのため、本市では、国や県が作成した労働者の権利の保護や労働基準法を守ることについてのチラシやパンフレットを合同就職説明会やセミナーなどで配付するとともに、広報まつやまやホームページにも関係情報を掲載し、周知に取り組んでいます。今後は、これらの取り組みに加え、普及、教育に向けて、労働者の権利に加えて社会保険制度や市内の相談窓口一覧なども含んだ本市独自のパンフレットの作成について検討したいと考えています。以上でございます。

◆丹生谷利和議員 以上で、質問は終わります。どうもありがとうございました。

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